世界レベルの俳優訓練〈月曜ワークショップ〉8月増員！

映画監督主導のもとで「役作り」の創造的なプロセスを学ぶワークショップとして、この４月に始まり毎週月曜に行って来た練習会は、会場もより広いスタジオへと移動し、8月の夏休み明けからを「２学期」と称してさらに実践的な演技練習を掘り下げていきます。この新しい区切りに追加参加者を募集します。バランス調整のための追加ですので、募集人数は男女とも２~３名の若干数です。

脚本術や演出術を突き詰めた監督だからこそ伝えられる「キャラクターを創造する」という行為の本質。そのクリエイティブな秘密を、最終的にキャラクターを演じることで「完成」させる俳優向けに、役作りからシーン演習まで網羅する＜自主練習法＞として落としこんでいく、他に類を見ないワークショップです。

１学期は書籍『イヴァナ・チャバックの演技術』（白水社）を下敷きに、AFIの即興演技やUCLAをはじめとするハリウッドの脚本理論、そしてマイズナーテクニックまでを融合させながら「総合的で体系化された練習方法の探求」をテーマにしてきました。その試行錯誤の過程で得られたフィードバックや実感をもとに、２学期はさらに演技の根源論に迫り、俳優としての「在り方」そのものを変容させる《２つの意識改革》をテーマに始めます。１つは世界中のオーセンティックな修養の場で耳にタコが出来るほど口うるさく言われる「俳優にとって決定的に重要な姿勢」で、それを本当に理解し実践するために、今までの視点を180度ひっくり返すことになる意識の持ち方。そしてもう１つは俳優のみならず映画・ドラマ・演劇に携わるすべての役職～監督、脚本家はもちろん撮影から美術から音楽、プロデューサー、資本家に至るまで～があまねく共有するべきもので、欧米では空気のように「当たり前」なのにも関わらず、日本ではその概念すら一向に認識されていない「ある目的意識」とは何なのか？ これらの意識改革によって「自己満足の罠」から脱して初めて、あらゆるテクニックやスキルが本当に意味を持ち、世界に通用する本物の演技の領域へと足を踏み入れることになります。

※２学期に予定しているエクササイズ一例

・「演技」の「そもそも論」～日常における演技と、舞台やカメラの前で行う演技の＜決定的な違い＞とは？（ヒント：台本のある・なしではありません）
・悪夢のエクササイズ～何の台本も指示もなく、客席の前で「演技しろ」と言われたら？
・「俳優の仕事」とは～観客・視聴者は「何」が欲しくて劇場・映画館に行き、テレビを点けるのか？
・カードを使った即興～でたらめな行動が首尾一貫した「キャラクター」に変わるためには？
・演技のアプローチ～「インサイド・アウト」か「アウトサイド・イン」か、それとも・・・？？？

等々。このほか２学期は、オーディション時に与えられるような１～２枚の断片的な脚本を使って、
・この限られた情報から何をどう読み解くのか？
・ここで俳優に求められている（制作側が観たがっている）ものをどう見つけ出し、それを提供するのか？
・そのための体系化されたノウハウと、いかにそれを血の通った演技へと短時間で作り上げていくか、
～といった事柄にも力点を置きます。

もちろん１学期同様、チャバック・テクニックに代表される後期スタニスラフスキー・システムに基づいた「真に迫った演技」の追求はすべての段階にわたって行いながら、さらにそれだけでは得られない、俳優が心がけなければいけないもうひとつの、絶対必要な「演技の目的」について、２学期全体をわたって追求し、その意識を身につけて頂きます。


ワークショップ概要：
毎週月曜14時~18時半開催。
台東区のスタジオにて。
参加費は場所代の割り勘（各回500円前後）のみ。

実質無料の参加費ゆえにイージーな内容と見なす方、あるいは逆に怪しまれる方、各見方があるかと思いますが、「今はまだ」無料で続けます。突然「来週から有料！」ということもありませんのでご安心を。但し高額な授業料を払って臨むレッスンと同じ強度のコミットメントを持って参加して下さい。カリキュラム的にその水準であるのもさることながら、何より一貫性のある継続意志が参加者には必要とされます。「無料ならちょっと覗いてみようか」という感覚では確実に挫折しますので、よくご検討下さい。参加者に求められるのは、このワークショップを中心に据えた毎日の練習プロセスを生活の最優先事項に置けるかどうか、長距離走のように一貫したペースで粛々と続けられるかどうかです。いち早く脚光を浴びるんだという焦りを脇に置き、地中に深く大きく根を張ることを何よりも今は優先したい、という方をこちらも優先的に歓迎したく思います。本物を志し、本質を追い求めることでこそ真にこの世界と繋がり貢献できる、そんな思いを共有できる方々との出会いを心待ちにしています。

主催者：佐々木 顕（監督・脚本）
ローティーン時代から映画を撮り始める。大学生時にAFIやUCLA講師らの特別講習に参加し、数週間に渡って直接指導を受ける。そこで身につけた演技指導術を元に、全く演技経験のない大学の仲間と一ヶ月間のリハーサルを行い撮り上げた短編ホラー『オッドマンズ・ローグ』が国内大手映画祭に入賞。初の長編となるサスペンス 『FACELESS』制作支援に結びつく。同時期の作品にアメリカン・ショート・ショート・フィルムフェスティバルやイラン国際映画祭で公開の短編スリラー『Behind』がある。以降も脚本理論と統合された演出術を追求し、物語論や構造分析、深層心理学まで独学を続ける。2010年には『THE GEEK』で英語劇に挑戦。ほか2012年リドリー・スコット主催 "Your Film Festival"参加作『a moment』http://me-te-o.com/cinema/156081937/ などがある。

応募方法：
infothegeek@gmail.com
上記アドレス宛に
１）履歴や写真のついたプロフィール（オーディション応募などに用いているものか、なければそれに相当する情報）。出演作品の映像などがあればそのリンクも。
２）志望動機（これまでの俳優活動において抱いてきた問題意識など）を「できるだけ詳しく」。
３）目指している俳優像：どういうステージで活躍したいのか。
４）これまで参加した、または現在参加中のワークショップやスクール・レッスンがあればその内容。
５）この募集投稿を見たサイト名。
※とりわけ２～４は、ここで提供できる内容と参加者の求めるニーズとがマッチするかどうかを事前に計るうえで重視しますので、なるべく詳細にお願い致します。

選考をクリアした方には８月初頭までに連絡を差し上げます。２学期の開始時期は８月下旬の月曜日を予定。参加決定者にはそれまでに『イヴァナ・チャバックの演技術』を読了しておいて頂くほか、事前課題の準備をして頂くことになります。また非公開グループ登録向けに、フェイスブックアカウントを用意して頂きます。

ご応募お待ちしています。