第12回 CO2東京上映展 開催直前インタビュー『私は兵器』三間旭浩 監督

投稿日:2017年02月20日

2017年2月25日(土)〜3月3日(金)渋谷ユーロスペースで「CO2 第12回CO2東京上映展」が開催されます。それに先駆け上映直前インタビューとしまして、『私は兵器』の三間旭浩 監督とお会いしてきました。

「CO2 第12回CO2東京上映展」の詳細 http://co2ex.org/blog/8787/

『私は兵器』上映日時:2月27日(月)3月3日(金)
それぞれ21時〜渋谷ユーロスペースにて上映

三間旭浩
1985年京都府生まれ。京都造形芸術大学映像舞台芸術科在学中に制作した『消え失せる骨』(08)がイメージフォーラム・フェスティバル2009で優秀賞を受賞。
その後、東京藝術大学大学院映像研究科に進学。同大学修了制作の『ユートピアサウンズ』(12)は2013年に開催された第8回大阪アジアン映画祭などで上映された。

映画『私は兵器』

謎の復讐代行組織に取り込まれていく青年の姿を通し、人間が持つ暴力性に迫ったドラマ。少年時代、父が母の浮気相手を殴り殺す現場を目撃してしまった望都。それ以来、自分の中に眠る暴力衝動の芽生えを恐れるようになった彼は、人との関わりが少ないピアノ調律師として働きはじめる。ある日、小学校で暴力沙汰を起こして自宅謹慎を受けた少年・釈と知り合った望都は、釈と自分に通じるものを感じ、釈にピアノを教えることに。そんな中、彼らが暮らす街で連続無差別暴行事件が発生。時を同じくして、復讐代行組織「代弁者たち」と出会った望都は、もう1つの顔を持つようになっていく。監督は長編デビュー作「ユートピアサウンズ」が大阪アジアン映画祭などで招待上映された三間旭浩。大阪を映像文化の創造・発展拠点とすることを目指して映像制作者の人材発掘・育成を行なう団体「シネアスト・オーガニゼーション大阪(CO2)」の第12回助成作品の1作。

出演:辻伊吹 / 玉井英棋 / 平原夕馨 / 山本剛史 / 橘賢将 / 西山真来 / 佐藤考太郎 / 菅田俊
監督・脚本:三間旭浩 / 撮影:西佐織 / 照明:西佐織 / 録音:中村崇志 / 整音:鈴木昭彦 / 美術:宇山隆之 / ヘアメイク:中村晴菜 / 編集:孝学直 / 音楽:重盛康平 / 助監督:登り山智志 / 制作:山根美加 五味聖子

三間旭浩 監督インタビュー

シネアスト・オーガニゼーション大阪(CO2)に応募したきっかけは?

2013年くらいから今回の企画をどうにか長編映画として形にしたいと思っていました。企画やシナリオは書いていたのですが、映画を撮らなかった期間が3年くらい続き、今撮りたい、撮らなければとフラストレーションが溜まりまくって噴火しそうでした(笑)しかし、お金は全然ありませんでした。小さな規模の作品とはいえ、映画にはある程度の資金が必要です。CO2の存在はもちろん知っていましたから、助成金を出してもらえるのであれば企画を応募してみようと思いました。元々僕は関西出身ですが、上京してからの5年間は東京や横浜ばかりで撮影していたので、大阪で映画を撮らせてもらえるというのも魅力のひとつでした。おかげで撮影の準備期間中、東京〜大阪間を何往復もすることになりましたが…。

今まで自分のお金の範囲で撮っていた映画と今回の映画は、どう違いましたか?

CO2の助成金や旧知の制作会社から出資していただいたりもして、もちろんプレッシャーはありましたが、映画を作る上での苦労はどんな状況であれ基本的には同じだと思います。映画作りはいつもいつも、しんどいものです。
とはいえ、今回は大阪にある一軒家を借りて、そこにスタッフ・キャストが合宿して撮影していたので、いつになく賑やかで楽しい現場でした。

今回のキャスティングはどのようにして行われましたか?

CO2には俳優特待生起用枠という制度があります。CO2が主催するオーディションで5人が選抜され、さらに僕がその中から1人を選び、映画の主演として映画に出演してもらうというものです。
その制度によって「私は兵器」には辻伊吹さんを起用させていただきました。
その他のキャスティングに関しては、オーディションを東京と大阪で実施したり、直接出演をお願いしたり、といった感じです。

オーディションで役者を選考する際は、役者のどこを見ていますか?

実はオーディションで役者を探すという経験が少なく、どうしたものかと混乱しましたが、新鮮で面白かったです。
オーディションでは達者な演技力よりも、その人が持つ雰囲気を見るようにしました。その雰囲気が今回の作品に合っているか、またはその逆で、全然今回の映画と印象が合わないけど、もしかしたらその方が面白いのかもしれない…など、ひたすらいろんな角度から検討し、熟考しました。
あと「声」ですね。「声」はいつも非常に重視しています。

最近観た映画で印象に残った役者・俳優の方はいらっしゃいますか?

最近だと「沈黙 サイレンス」に出演されていた塚本晋也さんがとても良かったです。何より作品に向かう姿勢が本当に素晴らしいと思いました。
同じ役者さんでも出演している映画によって印象が違うので、特定の方を選ぶのは難しいんですが、あえて言えばレオナルド・ディカプリオはいつも注目しています(笑)あのルックスで変な役ばかりやるじゃないですか。次はどんな役をやるのか、気になっちゃいますね。
どんな突拍子もない役でも、その映画に完璧に存在しているなという瞬間が観られたら、映画にとっても、役者にとっても、最高なことなんじゃないでしょうか。

次回作の映画の構想はありますか?

短期間で作品を仕上げる、という作り方が続いているので、次はもう少し時間をかけて作ってみたいです。特に準備期間をじっくりとって撮影に挑みたい。
企画はいくつかあり、その中の一つは今回のダークな内容とは全く違った、喜劇的な要素の多い映画です。一つの手法やテーマにとらわれず、焦らず、図太くやっていきたいです。

映画『私は兵器』はどういった方に見て頂きたいですか?

老若男女すべての人…と言いたいところですが、かなりハードな内容なので、できれば若い人たちに観てもらいたいです。健康的な映画が作られることが多い世の中で、このような不健康な映画もあっていいんだ、と思ってもらえれば嬉しいです。