演技を身体から理解する「ベーシッククラス」
演技の基礎を学びたい方のためのクラスです。もし基礎が不安定であるといつでも演技の不確かさがついて回ります。基礎がしっかりしていたら、もう表現はさらに自由にダイナミックになります。技術を必要とする俳優にとって基礎はかけがいのないものです。
今回のテーマは「サイコロジカルジェスチャー|心理的動作」となり、心身をダイナミックに使うことで、役に必要な内面を呼び起こすものです。
今回は4月に行われたベーシッククラスの発展となりますが、このクラスから受講することは可能です。
▼レッスンの目的
・演技の基礎となる体づくり
・演技に必要な知識とその応用
・自分の弱点の認識とその対策
・演劇を芸術と捉え、自己表現の場を持つ
・日々稽古する習慣を作る
・自分の可能性を知って広げる
・シーンやモノローグを作り披露する
▼レッスンの概要
①/②『俳優の体づくり:サイコフィジカルアプローチ』
俳優の体をつくります。スポーツと同様、演技にも必要な能力やスキルがあります。それは身体感覚、五感、想像力、空間認識など多彩です。役を演じる上で、必要な心身の能力を伸ばしていきます。
□使用テクニック・コンセプト□
サイコフィジカルエクササイズ・イマジネーション・空間意識・身体感覚・五感・イメージとの一体化・アーキタイプジェスチャー・アーキタイプ
③/④『役へのアプローチ』
役を演じるためのロジックを理解し、応用できるようにします。役には常に自分を突き動かす願望を持っていて、それを成し遂げようと必死に行動します。観客は役の葛藤に共感します。
□使用テクニック・コンセプト□
目的・行動・障害・エモーショナルプリパレ―ション(感情の準備)・モーメントビフォ・サイコロジカルジェスチャー・クオリティ・正当化・提案された状況
▼レッスンのタイムテーブル(参考)▼
<序盤>
ウォームアップ:フィジカルトレーニング、サイコフィジカルエクササイズ
課題の確認
<中盤>
テーマの理解と探求
エクササイズ
<終盤>
テクニックをテキストに応用させる
その日の成果の確認
課題の提示
<課題>
毎回課題をレッスンの最後に伝えます。毎日最低10分程度でできるものですが、感想を書いてもらいます。毎日演技を習慣化されることで日常の中でも意識的に演技に必要な力を伸ばす機会を自分で作れるようになります。
▼使用メソッド▼
◇スタニスラフスキーシステム
スタニスラフスキーシステムは、ロシアのモスクワ芸術座の創設者であり、近代演技法の父であるコンスタンチン・スタニスラフスキーによって作られました。多くの演技メソッドが彼の演技法(システム)から派生です。演技の基礎にもなり、今なお彼のシステムは世界中で学ばれています。
◇マイケルチェーホフテクニック
スタニスラフスキーの弟子であり、20世紀を誇る俳優の一人です。講師としても優れ、師であるスタニスラフスキーのシステムをさらに発展し、老若男女、世代や国を超え俳優がクリエイティブに使えるテクニックを創り出しました。特徴は、想像力と身体の動きを使い、豊かなイメージや感情にアクセスします。
▼テキスト
テキストはモノローグ(独白)とダイアローグ(対話)を使います。
受講生を見てテキストは選考します。
▼受講生の感想
「これまでぼんやりと感じて分かったつもりでいた自分の改善点を身体と感覚としっかり向き合うことで、よりはっきりと直視する良いきっかけになりました。ハッキリと気づくことが出来たうえで改善のアプローチを探ることが出来、「気付く」ことの重要性を知りました。安全な環境だから出来たことだと思っています。本当にありがとうございました。」Kさん
「自分の身体、お芝居と深く寄り添える4週間でした。自分の身体なのに知らない事がたくさんあり、もっと深めていく事ができればきっと表現者として素敵なものになりそうだと感じました。毎回新しい発見を得ることもでき、とても勉強になりました。」Mさん
「ベーシッククラスではとても有意義な時間を過ごすことができました。レッスン中はたくさん体を動かすので、動くのが苦手な私にはとても良い効果があったと思います。童心に帰ったようで単純に楽しかったですし、体を動かすことに抵抗がなくなってきました。
それは秋江さんがやりやすい環境を作ってくださったのが大きかったと思います。フレンドリーに接してくださいましたし、ひとりひとりの課題を見つけて伝えてくださるので今の自分に何が足りないのかも明確になりありがたかったです。
期間中に毎日出ていた宿題も良かったと思います。週に一回のレッスンだと先週やったことの感覚を忘れてしまうことが多いのですが、毎日何かしら行動をするので感覚が抜けることなく次のレッスンに臨めました。今回一番大きな収穫だと思ったのは、体を動かすことで心が動いていく感覚を知れたことです。
それまでは頭だけで理解しようとしてなかなか心が動いていかなかったのですが、イメージを作ってから体を動かすことで心が影響されていくのが自分でよくわかりました。心が動いていくのでその世界に入り込みやすいですし、その感覚を掴んでいくのにとても良いレッスンだと思います。」Rさん
「身体を通して「気づき」をたくさん得られた時間でした。長所を認識でき、無意識のうちにしていた自分のクセ、それらをどのようにして改善していけばいいかまでを教えて頂きました。また理論的、感覚的な話も秋江さんはわかりやすく指導してくれました。今後もマイケル・チェーホフテクニックで俳優に必要な身体感覚を磨いていきたいです。」山森慎平さん
▼定員
7名
▼日時
6月18,25日/7月2、9日13:15~16:45
▼場所
スタジオピアーチェ江戸川橋店
有楽町線江戸川橋3番出口徒歩2分
東京都文京区水道2-10-7 エクセルビルB1F
https://studio-piace.com/access.html
▼料金
16000円(場所代込)
▼申し込み方法
HPの「APPLICATION」より申し込みください
https://www.michael-chekhov-tokyo.com/application/
【ハラスメント防止対策ポリシー】
マイケルチェーホフ東京は、当団体が関わる全て企画のレッスン・ワークショップ・舞台制作を、その場にいる全ての人が出自や立場に関係なく尊重し合い、安心安全な環境で、みずからの想像性を発揮できるように、このガイドラインに沿って運営します。このガイドラインは、演技講師、ゲスト講師(海外講師も含む)、受講生、スタッフなど企画に関わる全員に該当するものとします。
■ハラスメント・差別の禁止
定義:ハラスメントとは、他者の尊厳を傷つける言動の総称です。他者に不快感や不利益を与える言動はハラスメントに該当し、行為者の意図とは関係がありません。
① セクシュアルハラスメント
性的な言動や性的要求によって相手に不快感や恐怖を与え、レッスン(指導)環境を悪化させること。性的関係や要求を、対価を示すことで求める。
・恋人や配偶者や子どもの有無など、プライベートに関する事を執拗に尋ねる。
・性に関わる話題や性的な嫌がらせの言動や行動。
・不快感を持つ状況を作り出すこと。(猥褻な写真、画像を見せたりする)
・不必要に身体に触る。
・ホテルや居酒屋など、適切でない環境下に誘い出し指導や稽古をすること。
・第三者の目が届かない状況で個人指導や練習を行うこと。
・執拗、もしくは強制的に性的行為や交際の働きかけを行うこと。
・性的関係を拒否されたことにより、共演や指導を拒否するなどの不当な対応を取ること。
・「男なんだから(男のくせに)」「女なんだから(女のくせに)」、性差別的な言動や行動を取ること。
・性的なシーンを合意のないまま進行する。
② パワーハラスメント
地位や権限あるいは優位性を背景に、適正な範囲を超えて人格と尊厳を侵害する言動で、精神的・身体的苦痛を与えること。プライバシーの侵害や威圧的な態度で脅迫や侮辱をする事。(心への攻撃も身体への攻撃も含みます)また対等な関係でも起こりうる。
・肉体的な攻撃
- 殴る・蹴るなどの暴行行為を行う。
- 個別の事情に配慮せず、身体的負荷が高い稽古を強要する。
・精神的な攻撃
- 脅迫する。
- 立場の違いや権力勾配を利用して無理な要求をする。
- 暴言を吐く、威嚇的な行動をとる。
- 人格を否定するような発言を繰り返す。
- 名誉毀損となるような言動を行う。
- 国籍、人種、信条、信仰、ジェンダー、性的指向、嗜好、身体的特徴等を理由に非難、侮辱、排除する等、差別的な扱いをする。
- 無視する等、存在を認めないような対応をする。
- 殴る真似などの疑似暴力を行う。
・人間関係からの切り離し
- 正当な理由なく、会場や稽古場等への出入りを制限したり、連絡網から外す。
- 必要な情報を意図的に伝えない。
- 特定の一人を集団で無視をし、孤立した状況をつくる。
・個の侵害
- 私的なことに過度に立ち入る。
- 断りづらい状況を利用して個人のプライベートな情報や持ち物に対して開示を求める。
③ ジェンダー・ハラスメント
性に関する固定観念や差別意識に基づく嫌がらせなど。女性、または男性という理由のみで性格や能力評価を決めつける事。(ジェンダー・ハラスメントは広義のセクシュアルハラスメントとされます)
・「男のくせに根性がない」「女性とは思えない」「女性は子どもを産むべき」など、特定の性別役割観を押しつける発言。
・セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)に対する差別的言動について
- 相手の性的指向や性自認・性表現等に関する言葉による中傷、からかい。
- 性的指向や性自認・性表現等を理由に、不利益を与えること
④ モラル・ハラスメント
倫理や常識を超えた嫌がらせやいじめなど。特に優位性は関係ありません。そのため、同僚や受講者同士にも起きるケースもあります。定義としては、言葉や態度など“目に見えない暴力”で相手を追い詰める行為をモラハラと呼びます。
・無視する。その人にだけ発言させない。その人だけ懇親会に呼ばない。その人にだけメールを返さないなど。
・その人の噂話や容姿についての言動、からかいなど。
・過度に不機嫌な態度をとることで自分の意見を聞いてもらおうとする。
・周りの演技を批判する。
・相手が求めていない指導を行う。
・飲み会へん参加の強要。
⑤ レイシャル・ハラスメント
人種や国籍など、民族的要素にまつわる差別や嫌がらせ、文化や宗教 、生活環境の違いなどに理解を持たない発言や行為を呼びます。
・人種や国籍に対して何かする度に「やっぱ外国人だからね」「日本人じゃないから仕方ないね」などと紋切型の発言を繰り返す。
・合理性なく人種や国籍を分けて指導内容を変えたり、評価の仕方を変えたりすること。
・ハラスメントをしないようにするために、関わる一人ひとりが次の事項について十分認識した上で企画に参加してください。
・お互いの人格や信条、信仰を尊重しあうこと。
・お互いが大切なチームのメンバーであること。
・言動に対する受け止め方には、個人間、立場等により差があり、ハラスメントに当たるか否かについては、受け手の判断が重要であること。
・親しさや好意を表すつもりの言動であったとしても、本人の意図とは関係なく、相手を不快にさせてしまう場合があること。
・不快に感じるか否かには個人差があるため、この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測をしないこと。(相手との良好な人間関係ができていると勝手な思いこみをしないこと。)
・相手が拒否している、又はいやがっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないこと。
・相手からの意思表示がない限りは差別やハラスメントには当たらないわけではないということ。
■どんな申し出や要求にも、「NO」と言える権利を尊重します。
芝居は人同士が深くかかわりドラマを生むという特性上、いくらハラスメントを禁止しても、台本のジャンル、演技の種類、危機管理上によっては厳しい言動や身体接触がありえます。また指導の合理性において、講師が受講生を触れる場合があります。その際、俳優が「NO」、「やめて」、「いやです」という権利を尊重にします。その瞬間にその俳優が感じたことなので、それが誰から受けたか、その必要性は何か、過去にはOKだったなどは関係なくその方の気持ちを尊重します。またそれによって、その後演技する機会が少なくなったり、演技指導の機会がなくなったりすることはありません。
■本人が希望する人称代名詞および敬称の使用
見た目や氏名でジェンダーを推測し「~ちゃん」「~くん」という呼び方をしたり、自分より年齢が若いという理由だけで呼び捨てにすることはしないようにしてください。相手によって態度を変えることは上下関係の強化につながり、フラットな関係性の上での協働の妨げになります。
基本レッスンの一番初めに、皆さんに「どのように呼んでほしいのか」を尋ねますので、そのときの呼称を使うようにします。
■他者の権利の侵害や誹謗中傷の禁止
ワークショップやレッスンで知った他者のプライバシー、アイディア、公開されていない情報などを口外することを禁止します。他の受講生の表現に対するSNSを含む、いかなる形での誹謗中傷を禁止します。
(口外することを禁止する情報の例)
・プログラム中に共有された創作のアイデアの口外
・居住地、家族構成、既往歴等のプライベートな情報の口外
・まだ公開されていない活動の予定などの口外(公演の予定、フェスティバルへの参加予定 等)
・名前を出さないまでも、演技した本人が分かってしまうようなコメント(誉めることは大丈夫です)
・本人が了承していないのにSNSなどに名前を出してしまう
。
※募集案件に対して応募後のやり取りについては、当サイトは関与できませんので個人情報の受け渡し、面談等直接会われる場合は、細心の注意をお願いいたします。
※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
※ご利用についての注意事項・ハラスメントに対する対応について。
掲載者情報
掲載者 | マイケルチェーホフ東京 |
---|---|
担当者 | 秋江智文 |
お問い合せ先 | michael_chekhov_tokyo@yahoo.co.jp |
関連URL | https://www.michael-chekhov-tokyo.com/ |
その他情報 |