手塚眞監督による短編アート映画の特集『Visualism』
手塚眞監督による短編アート映画の特集『Visualism』を 2022年11月19日(土)より順次劇場公開いたします。
『白痴』『ばるぼら』などで知られる映画作家・手塚眞がライフワークとして創り続けている短編アート映画の特集 上映を11月19日よりシアター・イメージフォーラム
その後、京都みなみ会館、新潟 シネ・ウインド他、ミニシアターにて順次開催いたし ます。
内容はアニメーションからダンス、音楽、俳優とのコラボレート作品等多岐にわたり、劇映画とは一味違う アート感覚溢れる作品ばかりです。
最新作、未公開作品を含めた、1987年から2022年までの計12作品を、3プ ログラムにセレクトして
上映いたします。
*上映に際しては手塚監督自身によるトークショーも行われます。
見られ る機会の少ないこの貴重なアート映画をお楽しみください!
■短編アート映画の特集『Visualism』公式HP
https://flyingfoxfilm.com/visualism/
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【上映作品】
■プログラム Black
『OKUAGA 』(2016/デジタル/20分)
出演:松崎友紀
撮影:辻健司 音楽:田口雅之
新潟県阿賀町で撮影された第1作は、ダンスとカメラの完全な即興による奇跡のアート。
イメージフォーラム・フェ スティバル2016招待作品。
『HINOHARA 』(2022/デジタル/40分予定) ★最新作初公開
出演:Nourah、芹川有里、他
撮影:辻健司 音楽:赤城忠治、他
東京都唯一の村、檜原村。首都の辺境を3年に渡り取材。古代の原風景から貴重な祭りの情景までを
イメージ 豊かにモンタージュしてゆく。時空や意味を映画的に超えたフリーフォームの作品。
『TUNOHAZU 』(2021/デジタル/32分) ★最新作
出演:Cay
撮影:辻健司 音楽:PHONOGENIX
「角筈」とは新宿の古名。作者が愛し続ける街、新宿をモチーフに、ダンサーの肉体を通して描かれるフィジカル なコスモポリス論。
イメージフォーラム・フェスティバル2022東アジアエクスペリメンタル・コンペティションノミネー ト作品。
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■プログラム Blue
『NUMANITE 』(1995/35mm→デジタル/23分)
出演:田中久美子、宮本はるえ、神林茂典、甲田益也子(ナレーション)
撮影:藤井春日 音楽:橋本一子
「水」をモチーフにした美しい幻想譚。沼の底に棲む姉妹とその恋人の物語は、時間と共に歪み始める。
1996年 ミュンヘン映画祭招待上映。クレルモン=フェラン映画祭招待上映。
『NARAKUE』 (1997/16mm→デジタル/44分)
出演:倉田和穂、櫻田宗久、小野みゆき、草刈正雄、ほか
撮影:藤井春日 音楽:橋本一子
「土」をモチーフにした地底の映画。映像による地獄巡りとも言える。50シーンを1カットに繋ぐ驚愕の構造が世 界でも高く評価された。
『実験映画 』(1999/35mm→デジタル/40分)©KADOKAWA
出演:永瀬正敏、橋本麗香
撮影:藤井春日 音楽:橋本一子
「廃墟の中で一人の少女を映画に撮ること。期限は一週間。」謎の依頼から始まる映画撮影は想像を超えた展 開を見せる。
永瀬正敏、橋本麗香というプロの俳優を使い、実際に一週間で撮影された脚本の存在しない映 画。
『ダニエルとミランダ 』(1996/16mm→デジタル/5分) ★デジタル版初公開
アニメーション:手塚眞 音楽:橋本一子
手塚眞の手書きによるシンプルなアニメーションは『NUMANITE』の変奏曲。
「もし絵コンテが動いたら」という発 想から生まれたキュートな小品。
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■プログラム White
『MODEL 』(1987/16mm→デジタル/10分) ★デジタル版初公開
出演:Evelyn
撮影・アニメーション:手塚眞 音楽:土屋昌巳
手塚眞実験映画の初期の代表作で、写真コピーを使ったアニメーション。上下に流れるシンプルな動きは次第 に複雑なモンタージュを
生み出してゆく。ミニマルアートのスタイルから発展してゆくイメージの多様性。
1987年 ケルン・フィルムセンター。1989年ロンドン映画祭。1990年香港映画祭。
『燐 』(1993/16mm→デジタル/3分) ★デジタル版初公開
出演:えとうなおこ
撮影・アニメーション:手塚眞 音楽:大津真
燐の光のような仄かなイメージをフィルムに定着。日本的な美の表現である「余白」や「移ろい」を映画の中で描 いた動く絵画。
写真のコピーのみを素材に使い、繊細なディゾルブも全てコピー機の中で行っていることが興味 深い。
『MIND THE GAP 』(2020/デジタル/24分) ★初劇場公開
出演:サヘル・ローズ、田中玲、ほか
撮影:辻健司 音楽:松岡政長
反復するフィルム・ノワール。スリリングに崩壊する構造の美学とユーモア。
映画のメカニズムに踏み込んで破 壊し、そこから新たな美学を組み上げる力作。
『謎 AENIGMA』 (2021/デジタル/46分) ★初公開
出演:植田せりな、Nourah、蜂谷眞未、峰のりえ、ほか
撮影:辻健司音楽:GHOST HARMONIC
漢字一文字から想起させるビジョンを俳句のようにシンプルなエピソードにまとめ上げた短編集。「幽」「玄」「杳」 の三つのエピソードはそれぞれ全く趣向を異にする。手塚眞が近年取り組むミニマルで静的な映画の旅。
『変容 』(2022/デジタル/30分予定) ★最新作初公開
出演:蜂谷眞未、岡田帆乃佳 撮影:辻健司
音楽:橋本一子、田口雅之
世界は変容していくのだろうか?手塚眞の最新作は世界的なパンデミックの中でインスピレーションを得たシ リーズ作品。
表と裏の同時存在、多層的宇宙、ジェンダーを超えた存在といった現代的なテーマを孕んでいる。
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【見どころ、ポイント】
・手塚眞監督の原点、ライフワークである短編がまとめて見られる貴重な機会。
・永瀬正敏、草刈正雄ら著名俳優が出演している作品もある。
・このために作られている最新作がある。
・未公開作など、初めて一般公開される作品が多数ある。
・手塚監督によるトークショーも行われる。
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【手塚眞監督コメント】
100年前、映画は最先端のアートでした。現在、映画は消費されるだけの商品と成り果てています。そこには脳 の活性化も感性への刺激もありません。文化が経済に追いやられている今だからこそ、もう一度映画をアートに 昇華させる必要を感じています。あえて劇場上映というスタイルで、文化の前衛としてのアート映画をぜひ体験 してください。
【ヴィヴィアン佐藤 (ドラァグクイーン、美術家) コメント】
手塚監督の映像群を俯瞰すると「新宿」の匂いがする。それらはひとりの人間が作り上げたとは思えないほど多 様で多次元、
もしくは分裂的傾向を持つ。「新宿」も多様なイメージを持つメトロポリタンだ。それらは決して混ざ り合わないが、
一定の距離を保ちつつ共存する夜空の昴(すばる)のような光源群。地球から見える昴の様に、
まるで互いを引きつけ合う不可視の「引力」を目撃出来るかもしれない。
【洪相鉉(映画ジャーナリスト)コメント】
ほとんどの映像作家が陥りやすい罠がある。ナラティブに執着するあまり、映像言語(Film language)の独立性 を見過ごすこと。
悲劇の流れは「量産型映画」がのさばる現象に帰結し、これは今の日本映画でも顕著である。 『Mind the gap』はこの現実に屈せず、
ジョルジュᆞメリエスの世界観を継承した希有のヴィジュアリスト・手塚 眞の逆襲のようだ。永遠が感じられる23分36秒が過ぎると、
笑みを浮かべながら安堵する私がいる。手塚眞の 美学的冒険がまだ現在進行形であることに気づいた喜びだ。確かに彼と同時代に共存し、全ての旅路を見守る ことができることは、大きな幸運に違いない。
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関連URL | https://flyingfoxfilm.com/visualism/ |
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