インティマシー・コーディネーターの現場整理術――“動きが曖昧なまま撮る”ことのリスクとその回避へ

セリフと同じように、動きにも“段取り”や“設計”があったほうが、俳優も演出も安心できる—そんな現場整理を担うのが、インティマシー・コーディネーターです。
映画やドラマの撮影現場で、こんなことに直面したことはありませんか?
台本にない動きが加わり、相手役が驚いてNGに
距離感や触れるタイミングが曖昧なまま本番に入ってしまう
監督の狙いは伝わっているのに、仕上がりにズレが出る
俳優の技術が原因ではなく、「動きが整理されていない」だけで起きるトラブルは、意外と多く存在します。
そもそも「段取りがあること」が安心を生む
殺陣やアクションでは、必ず振付があり、段取りが組まれます。にもかかわらず、キスやハグ、恋人役としての距離感などは、なぜか“自由演技”のように扱われがちです。
でも、それが事故や誤解、俳優の不安、演出意図のブレを招くなら、やはり“整理された動き”が必要なのではないでしょうか。
「やりすぎた」「強く触れすぎた」「カットがかかった後で気まずくなった」——
そうした小さなズレが、作品の質にも、人間関係にも影響してしまいます。
私の役割は「繰り返し可能な動線」を設計すること
私は、監督の演出意図を尊重しながら、俳優が集中できるように、
“振付”としての動きの整理を行います。
・接触のタイミングと位置をあらかじめ決めておく
・動線を現場の美術やカメラアングルに合わせて調整する
・俳優の同意と快適さを、過剰に干渉せず確保しておく
それによって、監督・撮影部・俳優の三者がズレることなく、演技の集中と作品の仕上がりを高めることが可能になります。
インティマシー・コーディネーターとは
日本ではまだ広まり始めたばかりですが、海外では、キスや性愛的な要素を含む場面だけでなく、親密なやりとりのあるシーンにも、「インティマシー・コーディネーター(またはディレクター)」が関与するのが一般的になっています。
私自身は、米国IDC(Intimacy Directors and Coordinators)の認定を受け、
演技経験と演出理解に基づいて、振付・整理・調整を行う訓練を受けています。
専門家が関与することで、俳優同士の信頼関係や、監督とのコミュニケーションも明確になり、現場で起こりがちな「なんとなくの不安」が減ります。
どんな作品に必要? どんな場面で頼める?
キス、ハグ、顔を近づけるシーン
肌の露出、下着姿、裸体に見せる工夫が必要な撮影(出産なども該当します)
ベッドシーンや性愛的な関係性の表現
恋人、親子、看病など、親密さが演出上求められる場面
(暴力と組み合わさったりする場合も、ご注意くださいね)¥
演出にとって重要な場面だからこそ、俳優の演技力に任せすぎず、
“仕上がり”として確保できるよう、繰り返せる形に整理しておくことが、結果として作品全体の質を高めます。
ご相談はいつでもどうぞ
「この動き、大丈夫かな?」と思った瞬間が、相談のサインです。
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