「濡れ場のことは本人に任せます」で、本当に大丈夫なんでしょうか?

IDC認定インティマシー・コーディネーター(ディレクター)の くわた かおる と申します。
撮影の現場もちろん、リハーサル、またその準備の段階での、身体の距離が近くなる場面、センシティブな題材、身体の部位の露出や表現の幅や質にまつわるサポートを、演出や俳優の方々と協力しながら行っております。
最近は、インディペンデント系の作品や、若い世代の方からもお声がけいただく機会が増えてきました。インティマシー・コーディネーター(ディレクター)として、現場の方々と一緒に作品づくりのお手伝いができることを、とてもありがたく感じています。
従来、映像や舞台で、身体的な接触があるシーンが出てくる際に、
「本人に任せます」とか
「できる範囲でやってもらえれば」といった言葉に違和感のない時代が長かったと思います。
そのお気持ちには、もちろん配慮や信頼の心があるのだと思います。
ただその一方で、「どうしたらいいかわからなかった」と戸惑う俳優の方や、
なんとなく曖昧なまま進んでしまったというお話もたびたび耳に挟んできました。
インティマシー・コーディネーター(ディレクター)は、いわゆる濡れ場だけでなく、出産や排泄、下着やふんどしの着用、身体のパーツの露出や距離が近くなる表現を含む場面全般をサポートする仕事です。
たとえば、キスのような短いシーンでも、人によって感じ方や経験値、また機会も捉え方も、実際さまざまです。
“このくらいなら大丈夫だろう”という認識のズレが、思いがけず大きなストレスになってしまうこともあります。
だから、前もって第三者に、相談できる時間や空気があると、むしろ俳優の方が安心して、大胆な表現にチャレンジしやすくなることも多いのです。
それは結果として、演出がより伝わりやすくなったり、芝居の密度が上がったり、撮影時間の短縮につながったりすることにも実はなっていきます。
演出家・俳優・衣装・ヘアメイク・撮影チームなどと連携しながら、
振付や殺陣と同じように、「動きと同意を整理する」サポートをしております。
その際に大切にしているのは、演出の邪魔をすることではなく、むしろ演出の意図をより明確にし、効果的に引き出すためであるということです。
俳優の方が演技に集中しやすくなるよう、環境を整えつつ、台本の文脈も活かす。
他の専門スタッフと同じく、チームとして機能することが大事だと考えております。
誤解されがちなのですが、これは「気をつけよう」という気持ちの問題ではなくて、
第三者が入るという“構造”をあらかじめ整えることそのものに、大きな意味があります。
????インディペンデント作品でも、インディーズでも、まずはお気軽にご相談ください。
現場の規模やジャンルにかかわらず、欧米ではスタンダードに取り入れる動きが加速しています。
最近は、監督の方からお声をかけていただく機会も増えてまいりました。
表現と安心をどちらも大切にしようとされるその姿勢から、日本も、映像業界全体が少しずつかもしれませんが、良い方向に変わってきているのではないかと感じております。
また現場のなかでも、衣装やヘアメイクさん、照明部、助監督、プロデューサーなど、
「こうしたら、くわたさんの仕事がしやすいかもしれない」と自然に気づいてくださるスタッフの方もいらして、本当に頼もしく思っております。
最近では、学生の方々から「こういう場合、相談してもいいのでしょうか?」というようなご質問をいただくことも増えております。
現場に立つ前の段階から、表現やケアについて丁寧に考えようとしているその姿勢に、私自身もたくさんの学びと希望をいただいております。
作品づくりの中で、少しでも安心や信頼のお手伝いができたら嬉しいです。
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掲載者 | 鍬田かおる |
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